こんにちは、小田です。
訪問看護リハビリステーションひなた庚午ではどんな医療処置ができるの?
と、よくご質問頂きますが、本日のヤフーニュースにもあるストマ(ストーマ)の管理
も出来るんです。
一般的な内容は排泄物の状態の観察、ストマや周囲の皮膚状態の観察、面板やパウチの管理。
ですが、病棟と比較して在宅の訪問看護は個別性が強く現れており、
実際に色んなケースを訪問させて頂いております。
ご質問者さんから、「そんな事も出来るんだね!」と嬉しいお返事を頂くのですが
私達が「させて頂いて当たり前」と思っている事が、
サービスを受けられる側からすると知らない事もたくさんあるんですね。
そういった意味では、まだまだ訪問看護の認知、理解が進んでいないのが現状です。
世間の排泄障害の理解もしかり。
私達の使命は、ご自宅で療養されるご利用者様、ご家族様のケアももちろんですが、
必要な人、潜在的ニーズに対してサービスの啓蒙活動が必要なんだなぁと改めて実感しました。
人工肛門ってどういうもの? いまだ進まない「排泄障害」への理解
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160317-00000002-wordleaf-soci
(出展:ヤフーニュース)
フリーアナウンサーの中井美穂さんがテレビ番組で病気治療のため、一時、人工肛門での生活をしていたことを告白し、注目を集めている。特に人工肛門・ぼうこうを持ちながら、仕事や学業に励む世代は「排せつ障害」への社会の理解がなかなか進まない現実に深い悩みを抱えている。現役世代の声を聞いた。
声優の真山亜子さん(57)は42歳のとき、クローン病の悪化により手術を受け、排泄のための「ストーマ」(排泄孔)を設けた。手術後数年間はとにかく苦労の連続だった。
映画の吹き替えなど、長時間の仕事のときに最も緊張した。仕事先でストーマから漏れてしまい、応急処置を求めた病院では断られ、自分でテープや脱脂綿を使って何とかしのいだこともあった。
いまも人工肛門について、あまりにも理解がない現実にぶつかることが多い。例えば、観劇ホールで、休憩時間に、どうしても緊急に対応しなくてはならず、トイレに並ぶ列を通り越して、オストメイト用を使った際には、「みんな並んでいるのに」と不満をぶつけられた。
「実情をわかってもらえれば、こういうことは減ると思うのですが……」
関西地方の契約社員の女性(30)は「周りの反応が怖くて話せない」と打ち明ける。
10代後半に発覚した難病、慢性特発性仮性腸閉塞症(CIIPS※)により、2011年、大腸を部分切除するなどの緊急手術を受け、現在、2カ所にストーマがある。手術直後は、人工肛門を持ったことへのショックが冷めないなか、長期療養を理由に勤務先から解雇され、「精神的に打ちのめされた」。家族に支えられて治療やリハビリに励み、現在の仕事に就けたのは約2年後のことだ。
現在の職場では上司も含め、2、3人にしか人工肛門について打ち明けていない。トイレには、1時間に一度行き、短くても20分、腸の動きが悪いときには、お腹をマッサージして、40分くらいかかる。
「周囲のみんなに言えたら、どんなに楽だと思う。でも、もし好奇の目にさらされたらと思うと、怖くて耐えられない」
結婚したり、仕事にまい進したりする友人たちを見ると、「私はみんなと違うんだ」と、ぽつんと一人、取り残された気持ちになる。「もっと人工肛門への理解が広まったら、自分も打ち明ける勇気が出て、一歩踏み出せるかも」
※CIIPS=消化管の運動機能障害のため、腹部の膨張や嘔吐、激しい腹痛など腸閉塞のような症状を示す原因不明の難病。点滴による静脈からの栄養摂取など栄養療法を続ける患者も多い。
神奈川県の大学院生、関口陽介さん(28)。7年前の大学3年生のとき、横紋筋肉腫という小児がんが原因で手術を受け、人工肛門、人工ぼうこう保有者となった。両保有者らでつくる「日本オストミー協会」内の若者グループなどを通じ、積極的に情報を発信している しかし、現在住む横浜市の支部で40歳未満の会員はわずか3人。「同世代との出会いが少なく、恋愛や結婚など、若い世代としての悩みを打ち明けたり、相談できたりする機会がほとんどない」
医療機器メーカーへの就職が決まり、この春、実家を離れ、神戸で一人暮らしを始める予定だが、
「これまでの啓発活動と仕事を両立させたいが、忙しくなるので不安もある」と漏らす。
長野県の柿本聡さん(35)。27歳の時に直腸がんで手術し、人工肛門を持った。子どもたちに柔道を指導しながら、自らも選手として活躍する。
最近、ショッキングな差別に遭遇した。県大会を前に体を鍛えようと、近くの大手スポーツジムに入会を申し込んだ際、人工肛門についても話したところ、
「事前に電話で確認してほしかった」と入会を保留。「一人で着替えられるのか」「歩けるんですか」などと次々に失礼な質問を浴びせられたため、入会する気も失せたという。
「若い世代として、様々なことにチャレンジしていこうという気持ちを削ぐほどの無理解ぶりには呆れた」と怒りを隠さない。
若い女性オストメイトの会「ブーケ」が2013年10月、会員(158人が回答)にアンケートしたところ、約4分の1が、オストメイトであることが仕事に「影響した」と答え、うち3割強が「退職した」「パートタイムになった」と回答。「現在最も知りたいこと」(複数回答可)は、「就職・仕事」(25パーセント)、「対人関係」(23パーセント)、「恋愛・結婚」(11パーセント)などで、社会人生活やプライベートで悩んでいる現状が浮き彫りになった。
人工肛門・ぼうこうは「排せつ障害」という、当事者にとってナイーブな悩みであるがゆえに、なかなか悩みや問題が表面化しにくい。真山さんは「勤め先や友人関係など、日常で関係がある先々で、一人でも事情を知る“味方”がいれば、格段に生活がしやすくなる」と話す。著名な人が告白するたびに思い出すのではなく、そんな“仲間”を作りやすい社会に近づくよう、人工肛門・ぼうこうを持つ人々が自分の近くにいることを前提に、関心を持ち続けることが必要だ。
そもそも人工肛門、ぼうこうを持つと、どのような生活になるのか。「日本オストミー協会東京支部」支部長の竹内恒雄さん(72)に聞いた。
「中井さんのように治療の一環で一時的に人工肛門となるケースはまれで、大半が手術後、“一生のおつきあい“になります」
竹内さんは人工肛門を持って25年。セーターとスボン姿の外見からは、装具をつけていることは全くわからない。
手術によって便や尿を出すために腹部に造設された排せつ孔は「ストーマ」と呼ばれる。ストーマ周囲の皮膚に接着させる「面板」に、不定期に出る便や尿を受ける袋をつける仕組みだ。竹内さんは袋にたまったと思ったら、1日に5、6回、トイレに行く。装具は使い捨て。患者それぞれだが、竹内さんは5、6日ごとに取り替えている。
大変なのは、まだ装具の使い方に慣れていない段階で、外出先でトラブルに見舞われることだ。
「通勤中に装具が外れて、トイレに駆け込んだり、慌てて自宅に戻ったりしたことは何度もある」
人工ぼうこうを持っている東京都足立区の女性(74)も、
「尿は漏れると、すぐに洋服がびしょびしょになる。心配で、パンツ型の大人用おむつを身につけた頃もあった」
女性は、なるべく周りの人にも知ってもらおうと、人工ぼうこうについて積極的に話しているという。
23区を管轄する支部では、年に8回、装具の使用や情報を提供する講習会を実施しているが、手術をした患者や家族が主な対象で、一般の人たちへの啓発活動は十分とは言えないという。
(取材協力:日本オストミー協会(http://www.joa-net.org)、協会内の若い世代でつくる「20/40フォーカスグループ」(http://www.joa-net.org)、若い女性オストメイトの会「ブーケ」(http://www.joa-net.org))